Date:
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Date: 2011年03月21日
手紙の第1号は内容証明郵便で
「千年に一度の」大作戦、当然ながら最初の質問は私が行う。内容証明郵便を使い、経団連会長に質問を送る。
仕事休みの日曜日を主に使い、私は内容証明郵便の文章を書いてみた。
─────────────────────────
貴方は3月16日、東京都内での記者会見において、
「日本の原子力行政が曲がり角に来ているという指摘もあ
る」
との記者の問いかけに対して、
「曲がり角に来ているとは全然思っていない。千年に一度
の津波に耐えているのはすばらしいことだ。原子力行政は
もっと自信を持って胸を張るべきだ」
との発言を行った。
この事に関し、東日本巨大地震の被災地・茨城県に住む
人間の1人としてお尋ねする。
質問1
2011年3月11日に発生した東日本巨大地震は日本
一国の尺度において千年に一度の大震災ながら、全世界的
な尺度で見ればこのようなマグニチュード9レベルもしく
はそれに近い大震災は数十年に一度の頻度で発生している
。1960年のチリ地震がそうであり、近年では2004
年のスマトラ島沖地震がそうだ。全世界で稼動する原発の
数が増えれば、数十年以内にマグニチュード9レベルの大
震災が原発事故を引き起こす危険性はいっそう高まる。発
言当時、貴方はこの事を認識していたか?
質問2
日本の原子力行政の基本姿勢は日本の各地で原発建設を
進め、また世界各国への原子炉輸出を推進するというもの
だ。売り込み交渉中の国には地震国であるインドネシアや
トルコも含まれる。かの発言から推察するに、貴方は堂々
と胸を張って世界中に次のように宣言するということか?
『一つの国においては滅多に起こらない大震災に対する備
えが十分である必要はない。日本の原子力行政も何ら方針
の変更を必要としない。今後、数十年以内に世界のどこか
で大地震や大津波が起きて、その地の原発が爆発するかも
しれないが、そういう原発を今後も日本は世界中で建設し
続ける』
これが貴方の真意なのか? そうでない事を願いたいが
、もしそうであるなら私は日本国民の1人として、そして
地球に住む人間の1人として、そのような愚か極まりない
考えを絶対に認めず、断固反対する。
以上2つの質問を、私は貴方の公式な回答が得られるま
で発し続ける。また全世界の人々に対しても、同じ質問を
貴方に対して発するよう呼びかける。
──────────────────────────
きつい文章になってしまったようだが、第一撃はこれでいこう。明日、プリントアウトして郵便局へ持っていく予定だ。
そうそう。この件をネットで調べてみたら、記者会見の記事が見つかった。これは非常に助かった。ここにリンクを張っておこう。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110317/cpd1103170503013-n1.htm
仕事休みの日曜日を主に使い、私は内容証明郵便の文章を書いてみた。
─────────────────────────
貴方は3月16日、東京都内での記者会見において、
「日本の原子力行政が曲がり角に来ているという指摘もあ
る」
との記者の問いかけに対して、
「曲がり角に来ているとは全然思っていない。千年に一度
の津波に耐えているのはすばらしいことだ。原子力行政は
もっと自信を持って胸を張るべきだ」
との発言を行った。
この事に関し、東日本巨大地震の被災地・茨城県に住む
人間の1人としてお尋ねする。
質問1
2011年3月11日に発生した東日本巨大地震は日本
一国の尺度において千年に一度の大震災ながら、全世界的
な尺度で見ればこのようなマグニチュード9レベルもしく
はそれに近い大震災は数十年に一度の頻度で発生している
。1960年のチリ地震がそうであり、近年では2004
年のスマトラ島沖地震がそうだ。全世界で稼動する原発の
数が増えれば、数十年以内にマグニチュード9レベルの大
震災が原発事故を引き起こす危険性はいっそう高まる。発
言当時、貴方はこの事を認識していたか?
質問2
日本の原子力行政の基本姿勢は日本の各地で原発建設を
進め、また世界各国への原子炉輸出を推進するというもの
だ。売り込み交渉中の国には地震国であるインドネシアや
トルコも含まれる。かの発言から推察するに、貴方は堂々
と胸を張って世界中に次のように宣言するということか?
『一つの国においては滅多に起こらない大震災に対する備
えが十分である必要はない。日本の原子力行政も何ら方針
の変更を必要としない。今後、数十年以内に世界のどこか
で大地震や大津波が起きて、その地の原発が爆発するかも
しれないが、そういう原発を今後も日本は世界中で建設し
続ける』
これが貴方の真意なのか? そうでない事を願いたいが
、もしそうであるなら私は日本国民の1人として、そして
地球に住む人間の1人として、そのような愚か極まりない
考えを絶対に認めず、断固反対する。
以上2つの質問を、私は貴方の公式な回答が得られるま
で発し続ける。また全世界の人々に対しても、同じ質問を
貴方に対して発するよう呼びかける。
──────────────────────────
きつい文章になってしまったようだが、第一撃はこれでいこう。明日、プリントアウトして郵便局へ持っていく予定だ。
そうそう。この件をネットで調べてみたら、記者会見の記事が見つかった。これは非常に助かった。ここにリンクを張っておこう。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110317/cpd1103170503013-n1.htm
Date: 2011年03月21日
「千年に一度の」大作戦、発動!
「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと」
最初に浮かんだ疑問は、経団連会長のこの発言に対してだった。私の頭の中には最近ネットか新聞の記事で見かけた、大震災のランキング表があった。
日本にとっては観測史上最大規模、マグニチュード9.0の東日本巨大地震も、世界的な規模から見れば観測史上で第4位にすぎない。世界最大の地震は1960年に起きたチリ地震でM9.5、第2位のアラスカ地震がM9.2。どちらも発生は1960年代だ。近年の2004年には大津波を伴ったスマトラ島沖地震が起きており、M9.1で観測史上第3位だ。さらにM8.8ながら第6位のチリ地震が発生したのはつい昨年のことだ。
このようにM9クラスの巨大地震でさえ、地球規模で見たら数十年に一度の頻度で起きているのだ。あの発言当時、たった7年前に発生し、テレビでも大津波の被害が生々しく報道されスマトラ島沖地震や、地下からの救出作業が世界的に注目された去年のチリ地震のことは、会長の頭の中からきれいさっぱり消えていたのだろうか? まさかそんな事は無いと思うが‥‥。
続く疑問は会長の次の発言に対してだ。
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」
かいつまんで言うと、日本の原子力行政の基本姿勢は、日本の各地で原発とその関連施設の建設を進めると言うものだった。それがスリーマイル島やチェルノブイリでの原発事故以来、国内での反対運動が強まって新規建設もままならなくなり、現在では国内ほど反対運動の激しくない海外諸国、特に経済成長で電力需要の増えた新興国に原子炉を売り込んで、外貨を稼ぐという路線に力を入れている。だがその国を挙げてのビッグビジネスの相手国には、地震国であるインドネシアやトルコも含まれているのだ。
東日本巨大地震が重大な原発事故を引き起こした今もなお、日本の産業界のトップに立つ男とも言うべき経団連会長は、これまでの方針を変えるつもりが無く、世界中で原発の売り込みを続けるつもりなのだろうか?
私はこの2つの疑問について、私は会長に直接問いただしたくなった。そして、かつて石原都知事が行った発言に対して起きた抗議行動のことを思い浮かべた。
貧困と格差の問題が今ほど社会的に認知されず、ネットカフェ難民の問題がようやくメディアに取り上げられ始めた頃、東京都知事の石原氏が彼らに対して批判的な発言をしたことがある。一泊1500円以上もするような、料金の高いネットカフェに泊まらなくても、山谷地区の宿泊所なら一泊2~300円程度の格安料金で泊まれる。もっと金銭感覚を磨け。といったような発言だった。それに対して反論したのが台東区長らで、都知事の言う格安料金は数十年前のものであり、たとえ石原氏の記憶ではそうであっても、今では山谷の宿泊所でもネットカフェ並の料金でなければ泊まれないことを、具体的な実例に基づいて主張した。これを受けて都知事も先の発言を撤回した。‥‥と、そのような経緯だったと記憶している。
しかし私がそのように振舞うことは不可能だ。今の私の立場は非正規労働者だし、経団連にはコネもないし、その筋の専門家というわけでもない。会長に質問を持っていっても無視され、門前払いされるのがオチだ。
では、どうすればいい?
考えているうちに、ふとこんな事が思い浮かんだ。
もしも私1人ではなく、1万人の人間が同じ質問を会長に行ったら? さらに100万人の人間が同じ質問を会長に行ったら? それも世界中からだ。
1万人の人間が同じ質問を行ったら、会長もその数を無視できなくなる。
100万人の人間が同じ質問を行ったら、会長に公式な回答を求める強力な力となるはずだ。
今、福島第一原発事故は世界的な注目を集めている。世界中の大勢の人間が原発事故の推移を見守っている。福島第一原発事故は今や世界的な問題だ。
ならぱ出来るはずだ。
そう考えた私は、実行することに決めた。
世界中から100万人規模の質問を集めて、会長に届けてやろう。
さてこの作戦を実行するに当たっては作戦名が必要だ。何と名づけようか?
そもそもは「千年に一度の‥‥」という会長の発言から始まった作戦だ。
ならば、「千年に一度の」大作戦というのはどうだ?
よし、それでいこう。
これで作戦名は決まった。
「千年に一度の」大作戦、これより発動します。
最初に浮かんだ疑問は、経団連会長のこの発言に対してだった。私の頭の中には最近ネットか新聞の記事で見かけた、大震災のランキング表があった。
日本にとっては観測史上最大規模、マグニチュード9.0の東日本巨大地震も、世界的な規模から見れば観測史上で第4位にすぎない。世界最大の地震は1960年に起きたチリ地震でM9.5、第2位のアラスカ地震がM9.2。どちらも発生は1960年代だ。近年の2004年には大津波を伴ったスマトラ島沖地震が起きており、M9.1で観測史上第3位だ。さらにM8.8ながら第6位のチリ地震が発生したのはつい昨年のことだ。
このようにM9クラスの巨大地震でさえ、地球規模で見たら数十年に一度の頻度で起きているのだ。あの発言当時、たった7年前に発生し、テレビでも大津波の被害が生々しく報道されスマトラ島沖地震や、地下からの救出作業が世界的に注目された去年のチリ地震のことは、会長の頭の中からきれいさっぱり消えていたのだろうか? まさかそんな事は無いと思うが‥‥。
続く疑問は会長の次の発言に対してだ。
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」
かいつまんで言うと、日本の原子力行政の基本姿勢は、日本の各地で原発とその関連施設の建設を進めると言うものだった。それがスリーマイル島やチェルノブイリでの原発事故以来、国内での反対運動が強まって新規建設もままならなくなり、現在では国内ほど反対運動の激しくない海外諸国、特に経済成長で電力需要の増えた新興国に原子炉を売り込んで、外貨を稼ぐという路線に力を入れている。だがその国を挙げてのビッグビジネスの相手国には、地震国であるインドネシアやトルコも含まれているのだ。
東日本巨大地震が重大な原発事故を引き起こした今もなお、日本の産業界のトップに立つ男とも言うべき経団連会長は、これまでの方針を変えるつもりが無く、世界中で原発の売り込みを続けるつもりなのだろうか?
私はこの2つの疑問について、私は会長に直接問いただしたくなった。そして、かつて石原都知事が行った発言に対して起きた抗議行動のことを思い浮かべた。
貧困と格差の問題が今ほど社会的に認知されず、ネットカフェ難民の問題がようやくメディアに取り上げられ始めた頃、東京都知事の石原氏が彼らに対して批判的な発言をしたことがある。一泊1500円以上もするような、料金の高いネットカフェに泊まらなくても、山谷地区の宿泊所なら一泊2~300円程度の格安料金で泊まれる。もっと金銭感覚を磨け。といったような発言だった。それに対して反論したのが台東区長らで、都知事の言う格安料金は数十年前のものであり、たとえ石原氏の記憶ではそうであっても、今では山谷の宿泊所でもネットカフェ並の料金でなければ泊まれないことを、具体的な実例に基づいて主張した。これを受けて都知事も先の発言を撤回した。‥‥と、そのような経緯だったと記憶している。
しかし私がそのように振舞うことは不可能だ。今の私の立場は非正規労働者だし、経団連にはコネもないし、その筋の専門家というわけでもない。会長に質問を持っていっても無視され、門前払いされるのがオチだ。
では、どうすればいい?
考えているうちに、ふとこんな事が思い浮かんだ。
もしも私1人ではなく、1万人の人間が同じ質問を会長に行ったら? さらに100万人の人間が同じ質問を会長に行ったら? それも世界中からだ。
1万人の人間が同じ質問を行ったら、会長もその数を無視できなくなる。
100万人の人間が同じ質問を行ったら、会長に公式な回答を求める強力な力となるはずだ。
今、福島第一原発事故は世界的な注目を集めている。世界中の大勢の人間が原発事故の推移を見守っている。福島第一原発事故は今や世界的な問題だ。
ならぱ出来るはずだ。
そう考えた私は、実行することに決めた。
世界中から100万人規模の質問を集めて、会長に届けてやろう。
さてこの作戦を実行するに当たっては作戦名が必要だ。何と名づけようか?
そもそもは「千年に一度の‥‥」という会長の発言から始まった作戦だ。
ならば、「千年に一度の」大作戦というのはどうだ?
よし、それでいこう。
これで作戦名は決まった。
「千年に一度の」大作戦、これより発動します。
Date: 2011年03月21日
契機
それは東日本巨大地震からちょうど1週間が経った3月18日のことだ。若い頃から左翼活動に身を投じ、今は小さな労働組合で活動している知人から、私の携帯電話にメールが届いた。彼は憤っていた。16日に東京で開かれた記者会見での、日本経団連・米倉会長の発言が許せないのだという。その発言は今もなお切迫した事態の続いている福島第1原発の事故に対してのものだ。
「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」
「事故は徐々に収束の方向に向かっている」
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」
会長のこの発言が許せない彼は、私に誘ってきた。3月20日に東京で集会とデモが行われる予定だから、それに参加して怒りを叩きつけ、「すべての原発をただちに停止せよ!」と訴えようと。
しかし私はその誘いを断った。この状況下での集会とデモは、あまりにもタイミングが悪すぎると感じたからだ。余震はしつこく続き、首都圏では計画停電が実施され、コンビニからは食料が無くなり、多くの工場が操業停止し、福島県では深刻な原発事故が進行中だ。人々のストレスはたまりにたまり、政府当局も国家規模の緊急事態への対応で神経を相当にすり減らしているはずだ。おまけに左翼活動の古参が数多く参加するデモは、過激派のデモとして警察からマークされているときている。その警察もこの非常事態で仕事の量が増え、警察官もこれまでにない緊張を強いられているはずだ。
つまり不穏な空気の中、人々の冷静な判断力や自制心が失われ、軽はずみな言動や小さな小競り合いが過剰な暴力行為を招きよせる危険性が高まっているのだ。小さな混乱が大きな混乱へと拡大する危険が大きいのだ。
私は考えた。経団連会長のかの発言に対し、自分はどのような行動を取るべきなのだろうかと。それもこの状況下では、行動によって起こる混乱を最小限に抑えなければならない。
ともかくも私は考えに考えた。というよりも、脳が勝手に動いて考えるのをやめてくれず、眠ろうとしても眠れない状態に陥っていた、と言った方が正しいだろう。18日にはおよそ1時間半くらいしか眠った覚えがない。そのまま私は夜の仕事に赴いたのだが、何故かその日の仕事はいつもの重労働と違い、体への負担の少ない軽作業だったのでとても助かった。
ともあれ考え続けたお陰で、私はこれから取るべき行動の枠組みを描くことが出来た。それがどのようなものか、これから説明していこう。
「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」
「事故は徐々に収束の方向に向かっている」
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」
会長のこの発言が許せない彼は、私に誘ってきた。3月20日に東京で集会とデモが行われる予定だから、それに参加して怒りを叩きつけ、「すべての原発をただちに停止せよ!」と訴えようと。
しかし私はその誘いを断った。この状況下での集会とデモは、あまりにもタイミングが悪すぎると感じたからだ。余震はしつこく続き、首都圏では計画停電が実施され、コンビニからは食料が無くなり、多くの工場が操業停止し、福島県では深刻な原発事故が進行中だ。人々のストレスはたまりにたまり、政府当局も国家規模の緊急事態への対応で神経を相当にすり減らしているはずだ。おまけに左翼活動の古参が数多く参加するデモは、過激派のデモとして警察からマークされているときている。その警察もこの非常事態で仕事の量が増え、警察官もこれまでにない緊張を強いられているはずだ。
つまり不穏な空気の中、人々の冷静な判断力や自制心が失われ、軽はずみな言動や小さな小競り合いが過剰な暴力行為を招きよせる危険性が高まっているのだ。小さな混乱が大きな混乱へと拡大する危険が大きいのだ。
私は考えた。経団連会長のかの発言に対し、自分はどのような行動を取るべきなのだろうかと。それもこの状況下では、行動によって起こる混乱を最小限に抑えなければならない。
ともかくも私は考えに考えた。というよりも、脳が勝手に動いて考えるのをやめてくれず、眠ろうとしても眠れない状態に陥っていた、と言った方が正しいだろう。18日にはおよそ1時間半くらいしか眠った覚えがない。そのまま私は夜の仕事に赴いたのだが、何故かその日の仕事はいつもの重労働と違い、体への負担の少ない軽作業だったのでとても助かった。
ともあれ考え続けたお陰で、私はこれから取るべき行動の枠組みを描くことが出来た。それがどのようなものか、これから説明していこう。