Date: 2011年03月31日

まだまだ起こりえる出荷制限

 ネットで次の記事を拾った。政府は出荷制限の解除を考え始めたようだ。

 農産物制限「原発収束前の解除も」…農水副大臣 (2011年3月31日18時42分 読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110331-OYT1T00806.htm

 直ちに実施するとは言っていない。認識を示しただけだ。出荷制限の解除が、いつどういう形で実行に移されるかはまだ分からない。場当たり的な対策を次々に出して、かえって混乱を広げた政府の対応から考えて、出荷制限の解除には最低でも1ヶ月はかかるのではないか? 私はそんな気がする。

 政府はまた、出荷制限に対する農家の被害に対しても、具体的な保障策を打ち出した。

 出荷制限、農家被害の半額を仮払い…政府方針 (2011年3月31日14時35分 読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110331-OYT1T00612.htm

 私が購読している読売新聞の茨城版には、県とJAが出荷制限や風評被害で経済的な打撃を受けた農家に、無利子のつなぎ融資を行うというニュースが出ていた。これらは嬉しいニュースだ。このような補償はこれまでにも行われてきたし、既に組織として動くべき体制は整っているだろうから、こちらの実現にはそう長い時間はかからないだろう。

 しかし出荷制限が緩和されても、問題はこれで終わったわけではない。
 今日、3月31日の読売新聞によると、事故を起こした原発が安全な状態まで冷却されるのに、数年間はかかる見通しだという。原発は損傷が激しいから、その数年の間にも核汚染物質の放出は続くだろう。

 またこれまでにも、原子炉建屋の水蒸気爆発と圧力容器の損傷によって、大量の放射性物質が広範囲に散らばってしまった。
 それらの放射性物質が風、河川流、海流、交通によって茨城県にまで達する事態は、十分にあり得る。
 また今後、問題になってくるのは、原子炉の廃炉工事にともなって発生するだろう核のゴミの処分だ。あれだけ原発が破壊されたのだから、放射能汚染された廃材・瓦礫・土砂が大量に発生するはずだ。そのゴミの一部が茨城県に持ち込まれ、農地の近くに不法投棄されたら?
 気が滅入る事態はまだまだ終わりではないのだ。

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Posted by 岩崎綾之 at 21:03│Comments(0)農産物出荷停止問題

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