Date: 2011年03月21日

「千年に一度の」大作戦~経団連へ100万通の質問メールを

「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」

 経団連会長 米倉氏のこの発言に対し、全世界から100万通の質問メールを送って、会長の真意を問いただそう。

 今や原発問題は世界の問題だというのに、東日本巨大地震を千年に一度の大震災のように発言する会長は、2004年に起きたスマトラ島沖大地震(M9.1)の大津波や、つい昨年に起きたチリ地震(M8.8)のことを考えていなかったのか? 世界各地で巨大災害が起きている現代において、しかも原発が巨大震災に耐えられないことが実証された今でも、会長は日本製の原発を世界各地に輸出するつもりなのか? まずはこの疑問点を明らかにしよう。

 1人の個人が質問メールを送っても、会長には無視されるだろう。
 しかし、世界中から100万通規模の質問メールが会長に届くようになれば、そしてその運動を知った世界中の政治家・専門家・識者までもが動き出すようになれば、恐らく会長も公式の回答を行う以外になくなるはずだ。

 福島第1原発事故は世界中から注目され、世界中の人々が危機感を抱いている。
 そして、日本人である私達がどのような行動を取るかも、世界中から注目されている。
 この深刻な危機の最中でも、私達が冷静な行動を取れることを世界に示そう。

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「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」
「事故は徐々に収束の方向に向かっている」
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」

 東日本巨大地震から5日目の3月16日、東京で行われた記者会見にて日本経団連会長 ・米倉氏が行ったこの発言が、事の始まりです。折りしも福島第1原発で重大事故が進行する最中の発言でした。
 スリーマイリル島以来と言われる原発事故に、世界はただならぬ危機感を抱いています。日本でのこの事故を契機として世界各国で原発政策が見直され、世界的な原発推進の流れは一気に衰えようとしています。今や福島第1原発の問題は世界の問題なのです。
 にも関わらず、当事国である日本の経済界の指導者は、問題の深刻さから目を逸らし、これまでの原発政策を改めることなく、原発推進という旧来からの流れにしがみつこうとしているようです。日本経団連会長・米倉氏の発言は、その象徴とも読み取れます。
 ただしこの発言に対して、以後の積極的な報道が為されていない様子であり、この発言に込められた米倉氏の真意は読み取れません。
 現在、日本は重大な危機が新たな危機を招き寄せかねない、深刻な危機連鎖のただ中にあります。巨大地震は原発事故を引き起こし、撒き散らされた放射性物質による環境汚染は、隣県の食料汚染さえも引き起こし始めています。発電所の被害による電力不足が停電を、幹線道路の被害とガソリン不足が輸送の停滞をもたらし、暴落する株価と投機的な円高と相まって、日本経済に深刻な打撃を与えています。そして以前より懸念されていた国債大暴落と日本経済の破綻が、数年以内に現実化する危険がますます高まっています。
 この危機の只中にあって、私達はどのように行動すべきなのか?
 今、やるべきことは、いたずらに怒りや反対の声を上げることではなく、また安易に楽観して今そこにある危機から目を背けることでもなく、当然ながら恐怖や絶望に囚われてしまうことでもありません。今、やるべきことは危機の現状を冷静に見つめ、危機の有り様を正しく理解し、理性と論理に基づいた行動によって危機に立ち向かい、絶え間ない努力と忍耐によって危機を乗り越えることだと私は思います。その行動の最初の一歩として、私は経団連会長の発言に込められた真意を確かめることを選びました。

「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしいこと」

 日本という一国の規模で考えれば、東日本巨大地震は千年に一度の大震災であるにしても、世界的に見ればM9クラスの地震は数十年に一度の頻度で起きています。近年では2004年に大津波を伴うM9.1のスマトラ島沖地震、そしてつい昨年にもM8.8のチリ地震が発生するという現状から見て、千年に一度の大地震という認識は正しいのか?
 
「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」

 日本の原子力行政の基本姿勢は従来、国内に原発とその関連施設を積極的に建設していくことでした。しかしスリーマイル島やチェルノブイリでの深刻な原発事故以来、原発反対の世論が強まったため日本国内での原発建設が難しくなり、現在は国策として新興国への原発売り込みを積極的に行っています。その相手国にはインドネシアやトルコのような地震国も含まれています。東日本巨大地震で原発がM8~9クラスの震災に耐えられないことが実証された今も、日本は従来の原発推進政策を取り続け、世界各国への原発輸出を企画するべきなのか?

 経団連会長の発言にこの2つの疑問を感じた私は、会長の真意を確かめるための質問を行いたくなりました。ですが私1人が会長に質問メールを送っても、間違いなく無視されるでしょう。
 しかし、もしも全世界から1万通の質問メールが会長に送られてきたら? さらにその数が10万通、100万通と増えていったら? そしてその運動の広まりを知った各国政府や国際機関や各国の専門家も、日本政府に対して働きかけるようになったら? 会長もこれを世界の問題として考え、公式の場で回答する以外になくなるはずです。
 今や日本の原発問題は世界の問題です。日本の産業界のトップに立ち、日本の原発政策に強い発言力を持つであろう日本経団連会長に対し、私と同様の質問を行いたがっている人々も世界中に大勢いるはずです。恐らく百万人・1千万人の規模で、いやその数は1億人に達するかも知れません。
 そう考えた私は、この運動に着手することにしました。この運動の名前は経団連会長の「千年に一度の‥‥」という発言にちなみ 「千年に一度の」大作戦 と命名させていただきます。
(2011/03/21)

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Posted by 岩崎綾之 at 16:14│Comments(0)この作戦について

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